夫のいない間に
 夫があの人と浮気していると、メールで確信を持った翌年、夏祭りの夜。

 子供二人と夫と四人で、人混みで溢れたアーケードを歩いていた時だった。

 踊りのグループでもないのに、やけに目立つ女達とスレ違った。

 アーケード裏の飲み屋街に向かう、ホステスの集団だった。

 その中にあの人がいた。

 同伴出勤なのか、既に酔った中年男性と腕を組んで歩いていて、夫は不自然な位にそれから目をそらしてた。

 「理名、健次、おみくじ引くんだろ? あっちに行こうか」

 女の方も、確実に夫と私を見たのに無表情のまま、きらびやかな店に入って行っていた。

 あの独特の空気は、秘密を共有した男女が醸し出すものに違いなかった。




< 61 / 95 >

この作品をシェア

pagetop