夫のいない間に
 その女性は多少、顔を硬くして答えた。

 「ここの院長をしております、下田と申します。ご家族の方だという確認をさせて頂いてから、お話をさせて頂きたいと思います」

 「え、先生だったんですか」
 「はい」

 
 てっきり看護師だと思ったその女性は、時計を見て、そしてもう一度、私が差し出した保険証を見つめた。


 「吉岡さん……もしかして、あの方の奥さま?」



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