すべてを失ったはずが、一途なパイロットに秘密のベビーごと底なしの愛で囲い込まれました
「通帳は、お金の動きが記載されたページを見せられただけだった。叔父は実家で見つかったって言ってたけど……」
本当にそうだったのだろうか。あの状況なら、どうとでもできたはず。
柴崎さんと話していると、頭の中がクリアになっていく。
父の死にすっかり打ちのめされていたあの頃は、なんとなくおかしいと思うことはあっても、それ以上考えられるような精神状態ではなかった。
「俺は、悠里も雄大さんも信じている。ふたりは無実だと」
父の死を乗り越えて、前を向いてがんばっていこうと思い始めた矢先。職場にはいつの間にか雇われた人がいて、まるでもう私はいらないようだと追い込まれていった。
叔父に疑いをかけられたときも、一番に味方になってくれるはずの父はもういなくて、ひとりで心細かった。
叔母が私たち親子の潔白を信じてくれるのはなによりもうれしくて、それが拠り所になっていた。
ただ私は日本を逃げ出してきたから、世間的には疑いは晴れないままだ。
あの件には、もう触れないでおこうと密かに決めていた。それは私たち親子の潔白が証明されない状態をよしとするのも同然だが、解決の糸口が見つからなかった。
どうにかしたくても、どうにもできない。これ以上悪くならないためにも、忘れて前を向くしかないとここまで必死に生きてきた。
それが、こうして身内でもない柴崎さんが私たちを全面的に信じると言ってくれる。
彼の言葉に、心が揺れないわけがない。
本当にそうだったのだろうか。あの状況なら、どうとでもできたはず。
柴崎さんと話していると、頭の中がクリアになっていく。
父の死にすっかり打ちのめされていたあの頃は、なんとなくおかしいと思うことはあっても、それ以上考えられるような精神状態ではなかった。
「俺は、悠里も雄大さんも信じている。ふたりは無実だと」
父の死を乗り越えて、前を向いてがんばっていこうと思い始めた矢先。職場にはいつの間にか雇われた人がいて、まるでもう私はいらないようだと追い込まれていった。
叔父に疑いをかけられたときも、一番に味方になってくれるはずの父はもういなくて、ひとりで心細かった。
叔母が私たち親子の潔白を信じてくれるのはなによりもうれしくて、それが拠り所になっていた。
ただ私は日本を逃げ出してきたから、世間的には疑いは晴れないままだ。
あの件には、もう触れないでおこうと密かに決めていた。それは私たち親子の潔白が証明されない状態をよしとするのも同然だが、解決の糸口が見つからなかった。
どうにかしたくても、どうにもできない。これ以上悪くならないためにも、忘れて前を向くしかないとここまで必死に生きてきた。
それが、こうして身内でもない柴崎さんが私たちを全面的に信じると言ってくれる。
彼の言葉に、心が揺れないわけがない。