すべてを失ったはずが、一途なパイロットに秘密のベビーごと底なしの愛で囲い込まれました
「悠里を困らせるつもりはないんだ」

 即答できない私に、柴崎さんが眉を下げる。

「まずは、ふたりの疑惑を晴らすこと。そのために、俺が帰国する際に悠里と光太君も連れていきたいと思っている」

「私たちも?」

 光太にも関わることだとわかった以上、疑いは絶対に晴らしたい。当事者である私が動くべきなのも当然だ。

「すぐに決められないだろうから、よく考えてほしい」

「うん」

 私には、これまで築いてきたイタリアでの生活もある。

「すべてが解決したとき、もう一度プロポーズをするよ」

 今になって、じわじわと頬が熱くなってくる。

 そんな私に、柴崎さんは満足そうな顔した。


< 128 / 183 >

この作品をシェア

pagetop