すべてを失ったはずが、一途なパイロットに秘密のベビーごと底なしの愛で囲い込まれました
 翌日になり、午後の手の空いたタイミング叔母に彼と話しことを打ち明けた。

「よかったじゃない……って、言っていいのよね?」

 プロポーズをされたと聞いて、叔母は目を輝かしながら両手を胸もとで組んだ。

「でも、光太があの人の子だってまだ伝えられていなくて」

「とにかく、まずはお義兄さんと悠里ちゃんの疑惑を晴らすことが先よ。私もずっと気にはしていたんだけど、海外からではなにもできないから」

 疑惑に関して私がなにも言わないから、叔母も話せずにいたのかもしれない。

「それに、柴崎さんの言う通りよ。冤罪とはいえ、疑われたままでは光太君にもよくないわ」

 彼に指摘されるまでそこに気づけないでいたことが情けない。

「相談なんだけど……」

 なかなか切りだしづらくて、口をもごもごさせてしまう。
 なにかを察したのか、叔母はにっこりとほほ笑んだ。

「日本に行きたいってことかしら?」

 私がまごついている間にズバリ言い当てられて、気まずくなってうなずく。

「そりゃそうよね。当事者であるあなたが不在の状態では、わからないことも多いでしょうし。それに、悠里ちゃんだって、自分の手で疑惑を晴らしたいんじゃない?」

「それは、うん。思い返すと、悔しくて」

「だったら、遠慮はいらないわ」

 叔母はどこまでも私に優しく、いつだって本音に気づいてしまう。

「彼と、一緒になってもいいのよ。ふたりがいないと寂しいし、仕事も悠里ちゃんのおかげでずいぶん助かっているから、本当は手放したくないんだけどね。でもそれ以上に、私もセルジオもあなたたち親子の幸せを願っているの」

「叔母さん……」

 じわりと涙が滲む。
< 129 / 183 >

この作品をシェア

pagetop