離婚前提のはずが、策士な弁護士が離してくれません。
しばらく想いが通じ合ったという幸福感に満たされていた。
だがぼうっとしていたら、突然身体を持ち上げられて横抱きにされる。
あのパーティーで転んでヒールを折ってしまった時以来の横抱きだった。
「えっ!? 惺久さん?」
「悪いが、ずっと我慢していたんだ」
そのまま惺久の部屋へと連れて行かれる。
「あ、あの、お仕事は」
「今更か? 今日は元々休みを取っていたんだ」
「いやでも、まだ午前ですし……」
「嫌か?」
「……惺久さんって、ずるいですよね」
弁護士としての惺久は冷静かつ理知的で頼りになるのに、時折大型犬が甘えるように見つめてくる。
嫌なわけがない。六花自身もずっと望んでいたのだから。
契約結婚には必要ないとわかっていながら、もしかしてを期待してしまう自分がいた。
ゆっくりとベッドの上に降ろされる。
愛おしげに頬を撫でられ、首筋に吸い付かれた。
「ん……っ」
「――六花、いいか?」
ここまできて拒否できるわけがないのに、それでも惺久は六花の答えを欲しがった。
意地悪なのか、意思確認をしてくれているのかわからない。
「……はい」
小さく呟くと、惺久はとろけるように甘く微笑み、六花に覆い被さった。
その先は六花も本能のままに惺久のことを求めていた。
「こら、顔を隠さない」
「だって……」