離婚前提のはずが、策士な弁護士が離してくれません。
* * *
六月某日。この日は梅雨シーズンらしい雨模様だった。
「せっかくの結婚式なのに残念だねー」
六花の頬にチークを入れながら夏芭が言う。
「仕方ないよ。屋根のある式場にして良かった」
ジューンブライドは魅力的だけれど、どうしても天気との相性が避けられない。
もし雨だった時でも大丈夫なように屋根のある式場を選んで正解だった。
披露宴会場となるホテル内のチャペルは、白を基調としており外が暗くてもとても明るい。
「できたよ! 私の中の最高傑作!」
「わあ……っ」
鏡に映った自分は自分ではないみたいだった。
「すごい……」
「惺久さんどこにいるの? 早く世界一綺麗なりっちゃん自慢したいんだけど」
「今は多分、式場スタッフと打ち合わせかな」
「そっか。じゃあ今のうちに写真撮らせて」
夏芭は真正面から横顔、後ろ姿や斜めからのアングルまで何枚も連写する。
「夏芭、本当にありがとう」
「私の方こそやらせてもらえて嬉しかったよ。結婚式のヘアメイク、憧れてたんだ」
そう言う夏芭は水色のワンピースドレスで爽やかで清楚にまとめている。
自分のヘアメイクも朝からやり、六花のヘアメイクもやって大忙しだが楽しそうにやってくれた。
「お色直しのヘアメイクも楽しみだね」
「でも夏芭が疲れるでしょ? このままでも大丈夫だよ」
「何言ってんの! 私がやりたくてやってるんだから」
「そっか、ありがとう。よろしくね」
「任せて」