離婚前提のはずが、策士な弁護士が離してくれません。
「りっちゃん、急にどうしたの?」
「ごめん夏芭、黙ってたことがあるの……」
六花はイヴの夜のことを話した。
実は永瀬惺久と会い、成り行きで一夜を共にしてしまったこと。
夏芭の名前を名乗ってしまったこと。
「えーー!?」
「本当にごめんなさい。私、あの時はどうかしてたの……」
「やっぱりナニかあったんじゃない!」
六花の申し訳ない気持ちとは裏腹に、夏芭は瞳を輝かせていた。
「まさかりっちゃんが! きゃーっ!」
「ちょっと夏芭、怒らないの?」
「んー、それでいうと私もりっちゃんに謝らなきゃいけないんだよねー」
「え?」
夏芭はいたずらっ子みたいに舌をペロっと出した。
「ごめん、キャンセル料五万円なんて嘘! 最初からりっちゃんに行ってもらいたくて申し込んだんだ」
「ええっ!?」
「だってああ言わないと、行かなかったでしょ?」
「どうしてそこまでして私に行かせたかったの?」
「だってりっちゃん、毎日働いてちっとも遊びに行こうとしないじゃない」
「私にそんな暇も余裕もないもの」
「でもりっちゃんが作った借金じゃないでしょ」
夏芭は急に真顔になった。
「りっちゃんの真面目で責任感の強いところはパパもママも気に入ってるけど、私はたまには息抜きして遊んでもいいと思う。だから、私からのクリスマスプレゼントのつもりだったんだ」