離婚前提のはずが、策士な弁護士が離してくれません。
六花は思わず姿勢を正した。
惺久は今後のことを相談し合うために今日は有休を取得してくれた。
相談するにあたり、六花は自分の生い立ちについても改めて惺久に話した。
結婚相手なのに知らなくてはおかしいことだ。
「ということは、新婦側の親族は涼風家ということになるのかな」
「烏滸がましいとは思いますが、私に頼れる親族はいませんのでそうなると思います」
「聞いてもいいか? 母親とは一切連絡を取っていないのか?」
「はい。どこで何をしているのか全く知りません」
六花は肩を竦める。
「正直母と会ったとしても何を話していいかわからないので……このまま会わなくていいと思っています」
「……そうか」
父・貴雪は生前母のことを恨まないでやって欲しいと言っていた。
母が出て行ったのは自分のせいだから、と。
だが六花はそんな風に割り切れない。
母は自分と父を捨てたのだと思っている。
かと言って今更恨み言をぶつける気にもなれないので、会わずにいられる方が気楽なのだ。
「では涼風家にはきちんと挨拶して、両家顔合わせにも参加していただこうか」
「はい」
まずは惺久の家族に挨拶、その後涼風家の挨拶を経て両家顔合わせ、結納という流れになった。
とりあえず互いの家族にアポ取りを行うと、いつでも良いしいくらでも予定は合わせる、という快諾の返事がありホッと胸を撫で下ろす。