離婚前提のはずが、策士な弁護士が離してくれません。
「ところで君の抱える借金なんだが」
それを言われると、別に責められているわけではないのに急にビクッとしてしまう。
「どうやらお父さんはまともな金貸しから借りていたわけではなさそうだな」
「……そうですね、詳しいことは私も知りませんが恐らくそうなんだと思います」
六花が俯きながら答えると、惺久はスッと目を細める。
「利子は原則として利子制限法の上限を超えるものは無効になり得るんだ」
「でも、手数料がかかっていて」
「それが落とし穴だな。手数料も実質利息としてみなされる」
六花は大きく目を見開いた。
「上限を超えて支払っていた分は法律上支払い義務がない。借金の取引履歴はあるか?」
「は、はい。毎月振り込んでいるので通帳にも記載があります」
「契約書は?」
「それも保管してあります」
引っ越す時にも封筒に入れて持ってきていた。六花の少ない荷物の中の一つだ。
六花がその契約書を見せると、惺久の表情はより険しくなった。
「やはり利息ではなく手数料扱いか……やり口が古いな。しかもこの金融会社、警察の友人から聞いたことがあるブラックリストの会社だ」
「私は、騙されていたのでしょうか」
「正確には君のお父さんが、だが……まあ結果的にそういうことになる」
「そうですか」
六花は青ざめて肩を落とした。
今まで騙され、十年も不当な利息を支払わされていたなんて。