離婚前提のはずが、策士な弁護士が離してくれません。
「それに恐らくだが、元本は完済しているんじゃないか?」
「元本?」
「支払うべき元の金額は完済していて、今君が支払っているのは手数料という名の利息。事務手数料、保証料、管理費、それらしく銘打っているがみなし利息扱いとなり、実質利率を超えていると考えられる」
惺久の淡々とした説明に、六花は空いた口が塞がらない。
「つまり今君が払っているのは、支払う必要のない金だ」
「……情けないですね」
六花は力なく笑った。
「きっと調べたらわかったことなんですよね。それなのに、言われるがまま払い続けていたなんて」
「君は何も悪くない」
惺久は六花の目を真っ直ぐ見て言った。
「君は当時高校生だったんだ。お父さんを亡くされたばかりで心の余裕もなかっただろう。そんな人を騙す奴が悪い」
「惺久さん……」
「ここからは俺に任せてくれ。俺が代理人となって片をつける」
そう力強く言った後、惺久は優しく六花の頭を撫でる。
「今までよく頑張ったな」
「……っ」
思わず目頭が熱くなってしまった。
六花の続けてきたことを否定せず、力になってくれることが嬉しかった。
「……本当はずっと、誰かに頼りたかったんです」
だが、母がいなくなり他に近しい親族は誰もいなかった。
遠縁の親族は貴雪の葬儀には参列したが、誰も六花を引き取ろうとは言わなかった。