同棲中彼は、顔だけかも、しれない。
 こんな時でも眠り続けるアタルを無理やり起こす。

 「何だよ……っせぇなぁ」

 「鼠が死んでたの! シバが殺したみたい! どうしよ?」

 今のところケロッとしてるが、鼠が持っていた菌で下痢するかもしれない。

 「良かったじゃん。シバ、でかしたな」

 半分しか開いてない目でシバを見て、またコタツに潜る。

 「良くないでしょ? あんな小さいのは氷山の一角って事! きっと巣があって親鼠がいて兄弟もいるわよ!」
 
 考えただけで背筋が凍る。

 「賑やかにシバが追いかけっこすんじゃね?」
 「トムと○ェリーじゃないんだから!」
 「だから、俺にどうせぇって?」
 
  だから、駆除! もしくは、

 「引っ越しするの!」

 あんたが働きさえすれば、こんな家に住まなくても済むのに。
 私の大きな声に、とうとうイライラMAXになったのか、

 「うるせっ! そんな金どこにあんだよっ!?」

 ガバッ!とコタツから這い出て、アタルがキレた。
 
 
< 11 / 26 >

この作品をシェア

pagetop