同棲中彼は、顔だけかも、しれない。
 「ねー! 何でシバを家に入れないのー?」

 ″ただいま ″も言わずにズカズカと上がり込む。
 コタツにくるまってるかと思ったのに、アタルは居なかった。

 「どこに行った?」

 テーブルのPCには、珍しく文字で埋め尽くされたWordの画面があった。久々に執筆が進んだらしい。

 その時、天井からゴトッ! と物音がして、ビクついた。

 ……まさか。
 
 天井裏で鼠が暴れてる?
 
 こんな時にアイツは何してるの?
 家を見渡していると、押し入れの方から、ドサッ! と何かが落ちる音がした。

 まさかの巨大鼠?
 恐る恐る近寄ってみた。
 
 ……が。
 
 押し入れから出てきたのは、

 「汚なっ」

  と、思わず言ってしまうほど、埃まみれのアタルだった。

 「な、何してたの?」

 「鼠駆除」




 





 
 
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