同棲中彼は、顔だけかも、しれない。
 夜の散歩から帰ってくると、既にアタルは寝ていた。しかも、布団も敷かずにコタツで。

 テーブルの上には、一応PCは置いてあるものの執筆した形跡はない。
 何もしないでコタツに住むプー太郎。
 勿論、あっちの方も二年くらい、してない。

 ……ね、?
 今更だけど。

 私があんたと一緒に居て、メリットってあるの?

 綺麗な寝顔で豪快なイビキをかくアタルを見つめながら、心で問うた。

 お風呂に入ると、シャンプーボトルが空になっていてムカついた。わざわざ詰替えを傍に置いてるのに!

 「たまには詰め替えろって!」

 ほんと、自分さえ良ければいいの?
 
 小さな事だけど。

 数年分の鬱憤が爆発しつつあるのを感じていた。


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