一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 早々にメイクを落とし、髪をアップにしたそのナチュラルな姿は、淡白過ぎて別人みたいだった。
 
 眉毛とアイラインで、人はこうも変わるものなのか。
 
「洗濯なんかして余裕ね。それとも着替え足りなくなったの?」
 
 私が、岡田のシャツを汚してしまった事を話すと、

「かいがいしいー!」
 
 蛯原さんはニタァ! と笑って私をからかった。

「アイツって無愛想だし、ムカつく事いうけど、桑崎さんとはお似合いだと思うわ」
 
「は?」
 
  何、言ってんの。
  あの人、ゲイだってさっきも再確認したのに。
 
「アイツが桑崎さんを抱っこして運んでるの見た時、ちょっと羨ましかったもん。あれでノーマルなら即効惚れちゃうわ」
 
「……」
 
  ノーマル、ならね。
 
 
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