一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
「三宅さんも、そっち?」
 
 岡田を私に取られそうな、嫉妬?
 
「そっち、って何? 変なこと?」
 
 ちょっぴり顔を赤くする三宅くんを見て、ますます ″腐 の花が開いた私。
 
 反応が可愛い!
 
 キレイな男たちのトライアングルに巻き込まれてたと思うと、妙に興奮し、クラクラときた。
 
 倒れそうなほど………。
 

「え? ちょ、添乗員さん! 大丈夫?!」
 
 いや、本物の目眩、立ち眩み。
 
 貧血だ。
 
 私は、洗濯機に寄りかかるように座り込んだ。

「……大丈夫です。一瞬です」
 
 
 天井がまだ、ぐるぐる回っている。
 
 今朝、あんなにモリモリ栄養あるもの食べたのにな。
 
 て。直ぐに効果現れるわけじゃないか。
 

「宴会まで休んでたらどうですか?」
 
 手を貸そうとする三宅くんに、″そうする と、答えようとしたその時。
 
  ……え。
 
 柔らかな茶色い髪が、私の鼻先に触れた。
 
 あっという間に、爽やかな香水が私の全身を包み込む。
 
 細い腕にそぐわない強さで、三宅くんが私を抱き締めてきた。
 

「僕の部屋でも構いませんよ」








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