一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 その頃、俺は25歳という若さで、国外旅行のチーフ、支店長代理まで任されるようになっていた。
 忙しさは倍増し、残業しない日が全くないほどだった。
 
 そんな中、
 
「岡田、上野ブライダルの打ち合わせに出てくれるか?」
 
 会議出張に出る支店長の代わりに、急遽ブライダル会社の営業部長と会うことになった。
 
「わかりました」

 正直、手持ちの案件でいっぱいいっぱいだったが、ブライダル会社からのハネムーン斡旋はあなどれない。
 
 ここ近年は、個人客のオンラインによる発券・直接予約が増加し、旅行会社の経営は著しく低下していた。
 それでも、挙式披露宴とハネムーンを海外パッケージで選ぶ客は多いからだ。
 
 安価を売りに、急成長したやり手の会社へ足を運び、そして驚いた。
 

 
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