一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 お客様も無事に食事を終えて、別館一階の売店へ足を赴く。
 
 ここの売店はとにかく大きい。
 熊本だけでなく、九州各地のお土産が置いてあり、焼酎コーナーの品揃えは、思わず唸るほど。
 
「これ、宅配を頼もうかなぁ」
 
 お酒好きの南条さんもウホウホだ。
 木下さん親子は一緒に、手焼き煎餅の実演販売を眺めている。
 なんだかんだと、仲が良い。
 
 私も、たまには実家にお土産でも送ろうかな。 お父さんが生きていたら焼酎買うんだけど……。
 
「運転士さん、三日間お世話になりました!」

 売店を出たところで、ツアー参加者の若い女の子二人が、岡田に何か紙袋を渡していた。
 差し入れ?
 
「俺に? ありがとう」
 
 営業スマイルを浮かべてそれを受け取っている。
 へぇ。
 やっぱり顔がいいと得だね。
 
 女の子達はキャッキャッ言いながら、外に消えた。
 さて。
 
 美少年好きの岡田は、果たしてそれをどうする?
 
 
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