一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 私は、岡田の視野に入らないようにしながら、様子を見守った。
 さっと 袋を開けて中身を確認する岡田。
 
「えっ」
 
 すると、奴はとんでもない行動に出た。
 
「おい、これ、やるよ」
 
 岡田は、お客様から貰ったものを、近くにいた三宅くんに渡していた。
 
 何て非情なやつ。
 
 
「いいんですか? くまもんのキーホルダーですよ?」
 
 どうやら、岡田は、三宅くんがくまもん好きだと思ってるようだ。
 
「俺は使わずに放置するだけだから。くまもんが泣くだろ」
 
  泣くのは、あの女の子だよ。

  自分への好意の印を、好きな男にあげるなんて。
 
 
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