一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
「添乗員さんたちは、試飲したの?」
出発前のバスの中、要注意人物の南条さんが話しかけてきた。
「いいえ、私達は仕事中なので」
「あ、そう? 残念だね! 美味かったよー、芋焼酎も梅酒もマッコリも!」
「それは良かったです。お土産に買われましたか?」
どれだけ試飲したんだろう? 息がかなり酒臭い。
「買った買った! 自宅用は宅配便で送ったし、今夜、ホテルで呑むのも買ったよ、ほら!」
南条さんは、焼酎の瓶を見せてニンマリと笑った。
「それは今夜は楽しみですね、温泉のあと楽しんでくださいね」
「添乗員さんも一緒にどお?」
「私は、皆様がお休みになるまでが仕事ですので」
「そーんなわけないだろ? 酒に付き合うのも仕事じゃないか」
……話が終わらない、が、そろそろ出発の時間だ。
ドライバーの岡田がミラー越しに私を睨んでいる。
「そろそろ座席にお戻りください、バスが出ますので」
着席を促すも、
「俺は添乗員さんの隣でいい!」
南条さんは言うことをきかずに、私の席の隣に腰をおろす始末。
旅の道中に飲酒は自由なのだけど、こう絡まれると仕 事にならない。
「スミマセン、私は席を立ったり頻繁に動きますので、隣は空いてないとダメなんです」
やんわりと戻るように説得するも、南条さんは駄々をこねた。
「ホテルに着く間くらい、女の隣がいいんだよ!」
出発前のバスの中、要注意人物の南条さんが話しかけてきた。
「いいえ、私達は仕事中なので」
「あ、そう? 残念だね! 美味かったよー、芋焼酎も梅酒もマッコリも!」
「それは良かったです。お土産に買われましたか?」
どれだけ試飲したんだろう? 息がかなり酒臭い。
「買った買った! 自宅用は宅配便で送ったし、今夜、ホテルで呑むのも買ったよ、ほら!」
南条さんは、焼酎の瓶を見せてニンマリと笑った。
「それは今夜は楽しみですね、温泉のあと楽しんでくださいね」
「添乗員さんも一緒にどお?」
「私は、皆様がお休みになるまでが仕事ですので」
「そーんなわけないだろ? 酒に付き合うのも仕事じゃないか」
……話が終わらない、が、そろそろ出発の時間だ。
ドライバーの岡田がミラー越しに私を睨んでいる。
「そろそろ座席にお戻りください、バスが出ますので」
着席を促すも、
「俺は添乗員さんの隣でいい!」
南条さんは言うことをきかずに、私の席の隣に腰をおろす始末。
旅の道中に飲酒は自由なのだけど、こう絡まれると仕 事にならない。
「スミマセン、私は席を立ったり頻繁に動きますので、隣は空いてないとダメなんです」
やんわりと戻るように説得するも、南条さんは駄々をこねた。
「ホテルに着く間くらい、女の隣がいいんだよ!」