一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
【添乗員の桑崎紫都は、客と寝ている】
美隆が拡散した裏切り者のレッテルは、私を会社に居づらくし、自主退職へと促した。
「まだ、独身なのか?」
美隆の現実の声にハッとする。
想い出の中で美化しつつあった元カレとの恋愛は、実際は非常に後味悪く、お互いを傷つける形で終わっていた。
「うん、そう。結婚はしてない………」
消えそうな声で返事をすると、美隆はカモメを追い払いながら私に近寄ってきた。
「そっか。じゃあ彼氏は?」
「………いないけど」
「へぇ、仕事一筋か」
「そう言うと聞こえはいいけど、縁がないだけ」
「マジ?」
微笑む美隆の左薬指には、結婚指輪が光っていた。
美隆が拡散した裏切り者のレッテルは、私を会社に居づらくし、自主退職へと促した。
「まだ、独身なのか?」
美隆の現実の声にハッとする。
想い出の中で美化しつつあった元カレとの恋愛は、実際は非常に後味悪く、お互いを傷つける形で終わっていた。
「うん、そう。結婚はしてない………」
消えそうな声で返事をすると、美隆はカモメを追い払いながら私に近寄ってきた。
「そっか。じゃあ彼氏は?」
「………いないけど」
「へぇ、仕事一筋か」
「そう言うと聞こえはいいけど、縁がないだけ」
「マジ?」
微笑む美隆の左薬指には、結婚指輪が光っていた。