一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 とうとう、虫の居所の悪い蛯原さんに突っ込まれるも、岡田はフンと鼻で笑って返した。
 
 「あんたらこそ、あんな酔っぱらい一人うまく扱えないで良くこんな仕事できるな」

 先ほどの南条さんの件を言ってるらしい。
 
 「な、何よ?! 女が酔っぱらいに絡まれて助けもしないくせに偉そうな事言わないでよ! それでも男なの?! 仲間なの??」

 蛯原さんが顔を赤くして反論した。彼女は言葉で侮辱を受けた、怒るのも当然だ。

 岡田は、あぐらをかいていた脚をゆっくり伸ばすと、軽く屈伸してから蛯原さんに冷たい目を向けた。(その動きも何か余裕かましてて苛つくのだ)
 
 「男にチヤホヤされる年齢が過ぎたら、雑に扱われる時もある。それでもガイド続けてるんだから、いちいち目くじら立ててないで笑って返せ、いつまでも乙女気分でいるなよ」

 
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