一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 「……さて、もう一仕事」
 
 宴会場を確認しに向かう足が重たく感じた。
 
 どうか、何も起こりませんように。


 宴会場一間を貸し切っての夕食。
 サービスのドリンクを、手際よく各席へ配る。
 温泉後のビールがとても美味しそうに見えた。
 
 「お飲み物、はじめの一本は無料ですが、あとのご注文分は払い放題ですので、ご自身でお帰りまでにご精算くださいねー」
 
 そう言うと、揃ったお客様が沸いた。
 
 「払い放題だって!」
 
  賑やかに食事を取るグループ参加のお客様もいれば、1人参加で、静かに食するお客様もいる。
 
 


 
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