一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋

 「僕、替わってもいいですよ」

 桑崎さんの手前、好印象を与えたいのもあったけど、写真を撮りたいと言う赤石さんの気持ちもど分かり、俺は手を挙げた。
 

 この時、初めて桑崎さんと目が合う。
 
 他の客やガイドの蛯原さんにも、しっかり注目されてしまった。
 
 運転士の男にも、ミラー越しに見られている事に気が付いた。
 
 俺の行動はあまりにも白々しかったかな?
 
 己の行動に恥ずかしさを覚えながら、カメラを抱えて席を移動。
 
 窓の外を見て、気を紛らわした。
 
 まぁ、いい。
 旅は始まったばかり。
 少しずつ、桑崎さんとの距離を縮めていこう。
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