一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
「パンへハジ マ!」
 
 自撮りをしていた 韓国人客が、夢中になってシャッターを切る三宅くんに強い口調で何か言い始めた。
 邪魔するな、といったところ?
 
「sorry!」
 
 三宅くんが謝るも、韓国人は、自分のスマホを見せて、まだ何か文句を言っている。
 
 画像に三宅くんが写ってしまったのか。
 言葉は分からないけれど、罵倒しているのがわかった。流石の彼も、ちょっとムッとしているようだ。
 
「撮り直せばいいだろ?」

「ムォヤ? ク オルグルン? ブルマンイラド インヌンコヤ」
 
 なんだ、その顔は? とでも言ってるのか、韓国人の客が三宅くんの胸をド突いた。
 
「何するんだ!? 日本に来たなら日本語で話せよ!」
 
 ダメだ。二人とも喧嘩腰になっている。
 
 二人の間に入ろうとした時だった。
 
 今度は、吊り橋の端の方から悲鳴が聞こえた。
 
 
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