バタフライ エフェクト
「香菜子様は……、お気づきですか?」

「わかりません。でも私達に、あなたのことを元気かどうか尋ねてきて、気にかけている様子に思えました」

「……あぁ、香菜子様……」



江原田さんは両手で顔を覆い、俯いた。



「あなたはもしかして、強盗計画を知っていたのではないですか?」



私の言葉に、梨々愛がぎょっとした。



「何言ってんの、そんなわけないじゃん!」

「……江原田さん、どうなんですか」



江原田さんは顔を覆ったまま、何度か首を縦に振った。



(やっぱり……)



「私が、林堂家の金庫のありかを知ったんです……」

「それを野村に教えた?」

「はい。六分の一くらいのお金をくれる話で、契約を取り決めました」

「契約?」

「お金を無事に奪ったら私は私の取り分を貰い、その後は知らぬ存ぜぬを通して、決して口外せずに生きていくことです」



江原田さんは少し遠い目をした。



「でも、香菜子様が元寄くんを殺してしまうとは思わなかったんです」
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