バタフライ エフェクト
そこで江原田さんが耳にしたのは、香菜子に強引に迫る元寄の声だった。



「助けに行こうとしたのです。しかし、ふと思いとどまりました」

「どうして……!?」
と、梨々愛。



「強盗計画そのものがバレているのか、江原田さんの関与がバレているのかどうか……ということですよね?」

「そうです……」
と、江原田さんは項垂(うなだ)れた。



江原田さんのことがバレていなければ、元寄達が計画を実行しようがしまいが、江原田さんの人生に傷はつかない。

香菜子が傷ついても、元寄が傷ついても、江原田さんには関係のないことだと、咄嗟に思ったという。



「それだったら、関わらないことを選ぼう。どうせ知らぬ存ぜぬを通す計画だったんだから、と考えてしまったのです」



江原田さんの言葉に、私は背筋が凍るような思いだった。



「自分さえ大丈夫なら、もうどうなってもいい。そう思ってしまったのです」
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