バタフライ エフェクト
元寄が梨々愛にさらに近づく。

私は間に立ったまま、
「違う! そう信じたいのかもしれないけれど、あなたはこのままだと本当に悪霊になってしまう!」
と、言った。




「俺から香菜子を奪うのは、もうよしてくれよ……、香菜子に会いたいんだ……、香菜子しかいらない……。だから、髪の毛を渡せよぉっ!!」

「逃げて! 梨々愛!!」



振り返ると、梨々愛が俯いていた。



「梨々愛?」



彼女の肩が小刻みに揺れている。



(……笑って、いる?)



「あはっ、あはははっ!」
と、堪えきれない様子で顔をあげた梨々愛。



「何なの、どうしてそこまで自分勝手でいられるのかしら」



……違和感を覚えた。

話し口調も違うけれど、何より違うと感じるのは、瞳だった。

鋭く、こちらを射抜くような怒りと殺気を感じる瞳。



「香菜子……」

「あら、あなたはすぐに気づくのね」
と笑った彼女の表情が、私には恐ろしく見えた。
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