バタフライ エフェクト
「バレてはいけない?」

「そうよ。ほら、思い出してごらんなさい。……この子は妹さえ無事ならそれで良いのよ。他のことなんてどうでも良いの」



(そういえばそんなことを言っていた気がする)



「あなた、本当は気づいているんじゃない? あなたの友人ふたりがあの男、元寄に連れ去られてしまった時のこと」

「えっ?」

「この子、……梨々愛には見えていたのよ。元寄の姿が」



(確かに、見えていたはず。元寄もそう言っていたし、梨々愛のその前後の行動から考えても、見えていなければあんな行動はとれない)



私を助けてくれた。

手を引っ張って、守ってくれた。



「それが何? 梨々愛は立派な子だよ。悪いことは何もしていない。私を助けてくれただけ」

「いいえ、違うわ」
と、香菜子はきっぱりと否定した。



「あのふたりを元寄が連れて行く先は妹と同じ場所かもしれない」

「……っ」

「そうしたら妹はひとりっきりではなくなる」

「それは……」

「それに、あのふたりが連れ去られたら、あなたは協力を惜しまなくなる」

「!!」
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