バタフライ エフェクト
香菜子は薄笑いを浮かべて、さらに続けた。



「そうよ、この子には見えていたのよ。あのふたりを連れて行く元寄が! でも助けなかった!!」

「!!」

「あのふたりを見捨てたのよ! そして妹を救うためだけに、あなたしか助けなかった!!」



心から驚いた時、人は何も言えないんだなと、頭のどこかで思った。



そうか。

梨々愛には見えていた。

私を助けてくれた。

でもそれは、そういう計算があっての行動だったんだ……。



「この子にも罪はあるのよ。残念ね、お友達なのにね?」

「……」

「罪のない人間なんているのかしら。みんな誰かしらを傷つけている自覚だってあるはずよ。時にその行為の重さに苦しみながら生きて行くものでしょう?」



私は香菜子を睨んだ。



「何? そんな目を向けて、抗議しているのかしら」

「あなたと梨々愛を一緒にしないで」

「同じよ。何が違うの? この子だって妹が帰ってきた時に言っていたじゃない。元寄を殺すって」
< 142 / 156 >

この作品をシェア

pagetop