バタフライ エフェクト
「そんな、紫さん……、私は!」

「違うって言えますか? 一度だって考えたことがあるんですか? 香菜子の痛みを」



江原田さんは眉根を寄せて、
「そんな……! あなたにそこまで言われる筋合いは……!」
と、怒り出した。



「私は今、香菜子様に殴られました。出血するほどに。でも謝っていますでしょう? 私こそが被害者なのに、謝ったんですよ!!」



そう言って私を睨みつける江原田さんを、私は残念な気持ちで見ていた。



「何ですか!! そんな目で私を見て!!」



(……この人に何を言っても、無駄なんだな)
と、思った。



変わろうとする人は、この世にたくさんいる。

自分を見つめて不安と闘いながら、少しずつでも自分自身を良い人間に近づけるために、自分を変える人。

でも、江原田さんは変わらない。

そもそも変わろうとすら思っていない。

自分が正しいと信じて、自分自身こそが良い人間だと思い込んでいるから。



滑稽(こっけい)って、こういうことをいうのかもしれないな)
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