バタフライ エフェクト

第十三話 最後

香菜子は梨々愛の部屋に戻って、『kanako』の引き出しに凶器を片付けた。

知穂と芹香は怯えつつその様子を見守っていて、私の背中に隠れていた。



「……殺したことは間違いだった」
と、香菜子が呟いた。



「後悔はしていないとか言いたいけど、後悔しかなかった。だけどそうするしかなかったのよ」

「香菜子……」

「そうしなければ、こんな人生だったとしても生きてはいられなかったわ」



香菜子は悔しそうに俯く。



「……間違いを認められる人は、強いと思う」

「えっ?」



香菜子は私を見た。



「香菜子は強い。いろんなものを背負って、つらい思いもしてきたと思うけれど、あなたの強さが、あなたを生かしたのかもしれない」

「……」

「だけどひとりで解決することも強いけれど、誰かに頼ることもまた、その人の強さに変わると思う」

「そうね」

「梨々愛にはそういう強さがあるよ。誰かと一緒に頑張る強さを持っていると思う」
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