【中編】ベストフレンド
「梶さん。亜里沙がいなくなった原因を何かご存じないですか?
今までこんな風にまったく何も言わずにいなくなる事なんてなかったんです。
最近は私の体の調子が余り良くないものですから、むしろ心配して週末ごとに帰って来るほどだったんですよ」
亜里沙の母親が俺に縋るように訴えてきた。
俺が亜里沙を抱いたから、なんて言えるはずも無くて、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「おかあさん、心配しないでください。
亜里沙は必ず俺が探し出します。
もし、自宅に連絡があれば必ず教えて下さい。」
涙を滲ませ俺を見つめる母親の瞳に、亜里沙の面影が重なる。
「梶さん。亜里沙をお願いします」
「はい、必ず見つけます。絶対に…」
俺は深々と頭を下げると、亜里沙の実家を後にした。