ピリオド
部屋に置かれた家具は全て豪華で、まるで王族にでもなったかのように錯覚してしまう。そして大きな窓からは美しい夜景が見えた。

「心春さん。先にシャワーどうぞ」

「……はい」

総司さんは椅子に座る。私はバスルームへと向かった。バスルームも広く、真っ白なバスローブが用意されている。

服を脱いでシャワーを浴びる。頭の中には両親から言われた言葉があった。結婚をしたのだから次は子ども。早く孫を抱かせろ。……もう涙は枯れ果ててしまった。

(キスをしても何も感じなかったから……きっと何をされても何も感じない……)

シャワーを止める。私はタオルで軽く体を拭いた後、バスローブも何も着ずにバスルームを出た。そのままゆっくりと総司さんの元へと歩いて行く。

「シャワーありがとうございました」

「もっとゆっくりしてもーーーはぁ!?」

椅子に座って小説を読んでいた総司さんは、顔を上げて裸の私がいることに驚いた様子だった。総司さんは目を逸らし、バスルームへと走る。そして数十秒後、バスローブを手に戻ってきた。

「これ着てください!!すぐ!!」
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