ピリオド
虚しい夜(心春side)
披露宴と二次会を終えた後、ようやく長く退屈な結婚式は終わった。参列者を見送った後、私はドレスを脱いで私服に着替える。

「総司くんがせっかく貰ってくれたんだから、迷惑を絶対にかけちゃダメよ。あと子どももすぐに作りなさい」

控え室を出るとお母さんに言われた。その隣でお父さんも頷いている。

「母さんの言う通りだな。女は子どもを産むのが仕事だ」

無表情で二人の言葉を聞く。何も感じない。ただ虚しいだけ。

「心春さん!」

声をかけられる。総司さんだ。目を合わせなくてもわかる。総司さんは私の手を取って言う。

「今日は色々疲れたでしょう。ホテルでもう休みませんか?」

「そうね!それがいいわね!」

私ではなくお母さんが答える。私は総司さんに手を引かれ、結婚式場を出た。そのまま車に乗せられてホテルへ連れて行かれた。夜景が綺麗な高級ホテル。そのスイートルームをお父さんが私たちにあてがったらしい。

従業員の人にスイートルームに案内される。ドアを開けた先の景色を見て、「わぁ……!」と総司さんが言う。私はぼんやりと目の前の景色を見ていた。何も感じない。
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