ピリオド
「心春さんは仕事を辞めて日本に帰ってきて、急に結婚することになって戸惑っていると思います。でも、僕は心春さんが大好きなんです。愛しています。結婚できてとても嬉しいんです」

真っ直ぐな総司さんの瞳に、戸惑った様子の私が映る。どうしてそんな言葉を言うの?恭子さんとの関係を悟られないようにするため?……でも、そんな疑問を口にすることはできなかった。

「……私、総司さんのことを愛していません。私は別の人のことを想っています」

緊張しながら言った言葉に、総司さんは優しく微笑んだ。総司さんの手が私の手に重なる。

「わかってます。これから少しずつ僕を見てくれませんか?」

私はその言葉に頷くことしかできなかった。情熱的な告白。ジョンさんと出会っていなかったら、きっと素直に喜んでいたかもしれない。でも今、胸の中にモヤモヤしたものが残っている。

(私のことを愛しているなら、どうしてあの時恭子さんと腕を組んでいたの?)

その日は、眠ることができなかった。
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