ピリオド
「心春さんは仕事を辞めて日本に帰ってきて、急に結婚することになって戸惑っていると思います。でも、僕は心春さんが大好きなんです。愛しています。結婚できてとても嬉しいんです」

真っ直ぐな言葉を、真っ直ぐな目と共に送る。心春ちゃんは戸惑った様子だった。でも、僕の話を疑っているわけではなさそうで少しホッとする。心春ちゃんがゆっくりと口が開く。

「……私、総司さんのことを愛してません。私は別の人のことを想っています」

胸の中にストンと心春ちゃんの気持ちが入り込む。うん。わかっていた。心春ちゃんは僕を見ていない。でも悲しくない。僕は微笑み、心春ちゃんの手に触れる。

「わかってます。これから少しずつ僕を見てくれませんか?」

心春ちゃんはゆっくりとだけど頷いてくれた。それにホッとする。想いを伝えることはできた。あとは、少しずつ距離を縮めていくだけ。長い道のりになるだろう。でもーーー。

(心の繋がった夫婦になりたい)

温かい未来を想像して、また胸が高鳴った。
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