ピリオド
カモノハシに表情はない。でも私の目には、カモノハシが優しく微笑んでいるように見えた。私が黙っていると、カモノハシが口を開く。

「さぁ、あなたの進みたい運命を選びなさい。私がその道へ連れて行ってあげよう」

「進みたい運命……」

それは、ジョンさんと結ばれる未来もあるということ。でも、私の口から言葉が出てこない。おかしいな。少し前ならきっと迷わずジョンさんを選んでいたはずなのに。

「私、誰ともきちんと向き合えてない……」

ジョンさんへの気持ちから逃げて、総司さんの気持ちからも逃げてきた。逃げてばかりの人生。これじゃダメだ。

「二人とちゃんと向き合いたい!」

「それがあなたの選んだ運命か。いいだろう。今の人生にピリオドを打ち、新しい運命を手にしなさい」

カモノハシがそう言い終えた直後、白い光が私を包み込んだ。





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