ピリオド
「さぁ、あなたの進みたい運命を選びなさい。私がその道に連れて行ってあげよう」

「進みたい運命……」

心春ちゃんがジョンさんや誰かに取られる運命なんて嫌だ。心春ちゃんと結ばれて、いつか家族が増えて、一緒に歳を重ねていってーーー。

甘い想像をしていた僕はあることに気が付く。心春ちゃんの心には常にジョンさんがいた。最期まで心春ちゃんはきっとジョンさんを想っていた。

「僕は知らない男に負けてるってこと……?」

心春ちゃんは、僕の知らない男と僕を比べていたのかもしれない。そう思うとジョンさんに苛立ちを覚えてしまう。どれだけジョンさんとやらはいい男なんだ。そうなると答えは一つ。

「ジョンさんときちんと勝負をして心春ちゃんを振り向かせたい。ジョンさんなんかに負けないから!」

「それがあなたの選んだ運命か。いいだろう。今の人生にピリオドを打ち、新しい運命を手にしなさい」

サモエドがそう言い終えた直後、僕の体は白い光に包まれた。
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