ピリオド
心春ちゃんを安心させようと笑みを浮かべ、優しくその手を取る。そして二人で祭壇の前に並んだ。いよいよ式が始まる。

「椿総司さん。あなたは健やかなる時も、病める時も、心春さんを愛することを誓いますか?」

神父さんの言葉に僕は大きく頷く。答えは一つしかない。

「はい。誓います」

僕の声が挙式場に響く。次は心春ちゃんの番だ。神父さんが心春ちゃんの方を見る。

「降谷心春さん。あなたは健やかなる時も、病める時も、総司さんを愛することを誓いますか?」

数十秒、沈黙があった。心春ちゃんは一度も笑うことなく、消えてしまいそうな声で言った。

「……誓います」

心春ちゃんの一言に僕は拳を握り締める。絶対に彼女を幸せにする。幸せにしなくちゃダメだ!

「では、誓いのキスを」

心春ちゃんのベールを取り、その頰に触れる。初めて触れた頰は柔らかい。緊張をしながら僕は心春ちゃんと唇を重ねた。好きな人との初めてのキスに胸が高鳴る。顔が赤くなっていないか心配だ。

祝福の拍手の音が、大きく聞こえた。
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