ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
「ありがとう」
 優しい声がして、彼の近付く気配がある。
 やがてやわらかく温かいものが唇に触れ、耀理の心臓が踊るように跳ねた。彼への熱が爆ぜた。
 しばらく重ねられたそれは、そっと離れていく。
 目を開けると、ぺろりと自身の唇を舐める彼が居て、思わず背筋が甘くぞくっとした。

「あなたの初めて、もらっちゃった」
「そういう言い方しないで!」
 耀理が怒っても彼は微動だにせず、目を笑みに細め、耀理の頬を優しく撫でる。

「約束、果たせたかな?」
「なんの?」

「ファーストキスにふさわしい素敵な舞台を用意するって言っただろ?」
 そういえばそうだった。そのために部屋をプラネタリウムにまでしてくれるなんて。
「……ありがとう。果たせてるよ」
 耀理は照れて俯いた。

「もっともっとあなたが欲しい」
「え?」

「嫌なら言ってくれ。言わないならOKって判断するからな」
「どういうこと?」

「こういうこと」
 史弥はまた耀理の唇を奪う。今度は舌を差し入れ、甘く深く耀理を求める。
 耀理はどうしたらいいのかわからず、つい息を止めてしまい、呼吸が苦しくなって彼を押した。

 抗わず離れた彼の瞳は、暗がりでもわかるくらいにらんらんと輝いている。
 思わず身を引くと、同じだけ距離をつめてくる。そのままずるずるとソファに押し倒される形になり、耀理はさらに焦る。
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