ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない



 結局、連絡先を交換できないままに仕事を終えた帰りの電車で、耀理は彼の一言投稿サイトのアカウントを確認する。
 フォロワーはすでに万単位になっていて、彼の人気のすごさを感じた。

 DMを確認すると彼から作品が届いていて、さっそくダウンロードする。
 早く読みたくてそわそわして、だけど電車で読むのはもったいない気がして、家に帰ったら急いでご飯を食べて、シャワーをあとまわしにして読み始める。

 異世界での恋物語だった。定番の展開で、虐げられていたヒロインが王子と出会い、溺愛される展開には安心感がある。
 ただ、既存作品との差別化ができていない気がした。加えて、最近は行動的な主人公が土練度な気がするのに、この作品では冒頭であるせいか、主人公が終始、受動的だ。それでも面白いのがさすがなのだが、忌憚のない意見がほしいと書かれていたから、作品の長所とともにそれも書いて送った。

 シャワーを浴びてから、耀理は再び一言投稿サイトにアプリからアクセスした。
 が、エラーが出て首を傾げる。
 パスワードを入力したが、「ログインできません」と表示される。
 ブラウザでアクセスして自身のアカウントを確認したのだが。

「なにこれ!?」
 思わず声を上げていた。
 見覚えのない投稿があった。

『私、作家の月見猫千夜にプロポーズされました! そのときの様子がこちら!』
 出版社のサイトにあった動画を引用し、プロポーズされたことをアピールしている。

 さらに、覚えのない自撮りがある。顔にはスタンプが押されていて、誰なのかはわからない。黒いセミロングの髪は同じ、だが服装はまったく違う。
「この服……紀香!?」
 耀理は唖然としてさらに投稿を見る。
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