腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
それが日に日に確信へと変わっていき、穏やかな時間はいつの間にか自然と消滅していった。
始まりも終わりもとても穏やかで。別れることを悔やむ暇すらなかった。

失って初めての痛みも特になく。そのうち付き合っていたことすら、忘れてしまうほどであった…。
どこかですれ違えば普通に話せたし、その後も暫くの間は友人として接していたりもした。

次第にそんな機会も減っていき、胸の違和感の答えを埋めるべくSNSをやり始め、埋まらない寂しさは増していき、今ようやく仲間を見つけられたところだ。

そんな俺が女のあれこれを分かるはずがない。
俺が唯一、心から信頼できる友は茜ちゃんだけだ。
空白の時間がある分、綾香のことなんてもっと分かるはずがない。

「ごめん。緊張とか恥ずかしさのあまり、思わず逃げちゃった。
でももう逃げない。ちゃんと言う」

綾香は一度深呼吸をしてから、喋り始めた。

「美咲、あなたのことがまだ好きなの。私ともう一度、やり直してほしい」

俺と綾香が…?そんなの有り得ない。もうとっくの昔に終わったことだ。
それに俺には……今………。
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