腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「ごめん。綾香の気持ちに応えることはできない。俺、今、好きな人がいるんだ」

あの子以上に良い子なんていないし、いつしか惹かれていた。
他の人には持っていない穏やかな心と笑顔。一緒に居てとても落ち着く。俺にとってひだまりのような存在だ。
今思えば、初めて会った時から俺は恋に落ちていたのかもしれない。
きっかけはヲタク友達が欲しかったことから始まったが、今は友達以上の関係になりたいと思っている。
だから、綾香の気持ちに応えることはできないし、今の俺の心の中に入り込む余地すらない。

「知ってる。茜ちゃんでしょ?」

……え?それじゃ、何故、俺に告白してきたんだ?コイツは…。

「バレてたの?俺、そんなに分かりやすかった?」

「うん。かなり分かりやすかった。見てたら分かるくらいに」

そんなに俺、分かりやすかったのか。茜ちゃんにバレていないか、不安になってきた。

「大丈夫。本人にはバレてないから。あの子鈍感だし」

綾香に本心を見抜かれたことよりも、思わず茜ちゃんにバレていないことに安心した。

「だ、だよな。それならよかった…ははは……」

危ねー。バレてなくてよかった。内心、とても焦っていた。
確かに綾香の言う通り、茜ちゃんは鈍感だ。俺以上に恋愛事に疎そうだ。
でも、美人で性格もいいから、今までモテてきたはず…。
あんな絵に描いたような良い子に優しくなんかされたら、男はイチコロだ。
所詮、男なんて美人で優しい子に弱いんだ。
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