腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
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綾香に呼び出されて告白されて、フッてから綾香は変わった。
妙に協力的というか…。好きだった人の恋を応援できるアイツの懐の深さに関心させられた。
もし、俺が逆の立場だったら耐えられないと思う。
茜ちゃんに好きな人がいたら嫌だ。好きな人がいないと言われても複雑な気持ちなわけだが…。
だってそれって、イコール俺なんて眼中にないと言われているのだと同じだからだ。
意識はされたい。男として…。どうやったら、友達という枠からはみ出せるのだろうか。
そのための一歩として、アイツは皆でコミケに行こうと誘ってくれたのかもしれない。
「ごめん。お待たせ。混んでたから遅くなった」
まずは先に綾香が戻ってきた。本当に俺の分も一緒に頼んでくれたみたいだ。
「わりー。ありがとう。俺の分の金払うわ」
「あーそれはいいや。その代わり、もっと茜にアピっていきなさい。
これはあんたらが上手くいくまでの貸しだから」
あまり人に貸しを作りたくはない性分なので、本当なら断りたいところだが、コイツなりに気を使ってくれているのであろう。ここは素直に甘えてみることにした。
「了解。うまくいった暁には俺がお前に何か奢ってやるよ」
「よろしく。楽しみに待ってる」
「あんまり高いものとか請求すんなよ。そんなにお金持ってねーからな」
「分かってるってば。あんたあたしをなんだと思ってるの?」
「あざとい。量産型…」
「間違ってないから否定しないけど、なんかムカつく…」
コイツとこんなふうに言い争っているのも、なんだか変な感じだ。
もうお互いに好きって感情が全くないからこそ、こんなふうに会話することができるのかもしれない。