腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「ありがとな。コミケに誘ってくれて。俺のためなんだろ?感謝してる」

「…ふん。あんたのためだけじゃないわよ。私が茜と行きたいって思ったからなの」

そういえばさっきも思ったんだが、いつの間にか茜なんて呼び捨てにしてるし…。
俺だって呼び捨てにしたいと思っていたのをずっと我慢していたのに、先を越されてしまった。

「え?いつの間に呼び捨てにするようになったの?」

「さっき列に一緒に並んで待っている時にね。
あ、茜も戻ってきたわよ。おいで〜。こっちこっち〜」

やっぱりコイツはあざといなと思った。油断も隙もねーよ。

「ただいま。美咲くん、お待たせしちゃってごめんね…」

潤んだ瞳で上目遣いをしながら、そう言われた。
この子は俺が君のことを好きだと分かった上で、わざとやっているのかな。
だとしたらだよ?男は好きな女の子にそんな目をされたらね、我慢できなくなるんだよ?
彼女じゃない子に、そんなことをする勇気なんて俺にはないので、心の中で密かに可愛いと思うことにした。

「ううん。それは大丈夫。それよりも、二人が呼び捨てにし合ってるのが羨ましいなと思ったんだけど」

大人気なく拗ねてしまった。こんなことをしても、茜ちゃんを困らせるだけなのに…。
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