腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
だからこそ、俺から動かないとこの先、何も進めないのは分かっている。
茜は完全に俺を男として意識していないと思う。自分で言うのも悲しいことだが…。
どうやったら俺を意識してくれるかなんて、答えは簡単だ。告白すればいいだけだ。
特に茜のような鈍い子には、その方が効果は絶大であろう。
しかし、この関係性を壊すのが怖い。今が一番楽しいから。
このまま何もしない方がずっとこの関係でいられる。
でも、他の男には取られたくないという複雑な感情が入り混じっていた。

「わーってるよ。俺だってこれでも頑張ってるんだよ……」

これ以上、どうやってアピールすればいいんだ?
この間、綾香と仲直りした帰り道に、ちょっとだけ茜に意地悪をした。
それだけで精一杯だったというのに、俺がこれ以上のアピールなんてできると思うか?
それに茜はガンガン来られると、引いてしまうタイプだと思う。
だからこそ、ここは慎重にいくべきだ。それで間違いない。
この時の俺は、茜の人の良さに胡座をかいていた。まさかこの後、ピンチが訪れるなんて思いもしなかった…。

「あっそ。あんたがそれでいいならいいけど」

どこか綾香は煮えきれない言い方だった。きっと俺のヘタレ具合に呆れているに違いない。
俺だってこんな自分に呆れてるよ。ただ、綾香の言い方にどこか傷ついてる自分がいた。
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