腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
さすがに冬は参加しようと思った矢先に、アイスマの声優出演の大型イベントが開催されることとなった。
なので、昨年のコミケにはアイスマの企業ブース出展はなく、特にコミケに行く用事もなかったため、参加することはなかった。

「偶然って被るものなのね。それは大変だったわね…」

「う、うん。まぁ…大変でした」

この戦場の空気を吸うと、久しぶりであったとしても思い出すことができる。
あの頃は毎年コミケに参加していた。先輩と一緒に、先輩の隣で…。

でも、気がついたら先輩の隣には居られなくなっていた。
いつからかできたこの壁をぶち壊すことよりも、現実として受け入れることしかできなかった。
あの頃の私は、抵抗するほど子供ではなくて、逆にそれがきっかけで諦めがついたのでよかったとも思っている。

そう思っていたはずなのに、心の中のどこかでまだ根深く残っている…。
先輩と自分を比べても仕方がないのに、つい比べてしまい、先輩を羨んでしまう。
私はコミケが好きだ。でも同時にここに来ると胸がモヤモヤする。昔のことを思い出すから。

「大変といえば、今回のコミケは企業ブースが大行列みたいよ」

恐らく人気コンテンツがたくさん出展しているからであろう。
アイスマも大行列を作っている原因のうちの一つである。

「今回に限らずだけど、今年は特に…ね」

「そうなのよ。特に…ね?」
< 178 / 375 >

この作品をシェア

pagetop