腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
《綾香:一足先に用事が済んだので、お先に失礼します。あとはお二人でごゆっくり》

おい…。これって絶対にわざとだよな?!
会場に着いた時もそうだったが、アイツなりに気を使ってくれているのだと思う。
しかし、さすがに鈍感の茜もここまでされたらさすがに気づくであろう。
もちろん気づいてはほしいよ?!でもな、いくらなんでもやりすぎだ…。

「マジか…」

「どうしたの?」

「綾香からグループLINEにメッセージが着てたんだけど、もう先に帰ったってさ…」

こんなに二人っきりにさせられる機会があれば、普通は気づくはずだ。
普通なら…。茜の鈍感さはこんなものでは済まないので、きっと多分気づかない…はず。

「そうなんだ。綾香って自由人だね」

自分の気持ちに気づかれなくて安心しつつも、全く気づかれない悲しさで胸が複雑な気持ちだった。

「全く。アイツは自由にも程がある」

綾香のアシストにまだ上手く乗っかることはできなかった。
きっと今の茜は恋愛なんて望んでいなくて、三人で楽しくヲタ活することだけを望んでいるのだと分かったから。

「確かに。でも、なんかそういうところが好きかな。自分ってものをしっかり持ってるし」

それは茜も…と言いかけそうになったが、心の中だけで思うことにした。

「ねぇ、よかったらこの後、二人だけで打ち上げしない?」

まだ今はこのままでいい。好きな子に誘われただけでも良しとしよう。

「いいよ。二人だけで打ち上げしよっか」

綾香の自由さには呆れたが、結果として二人だけの打ち上げを開催することができたので、心の中で感謝したのであった。
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