腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「それって…具体的にどういうことなの?」

私が昔、絵を描いていたことを美咲くんは知らない。
今からそのことについて、説明することにした。

「私、大学時代に漫研に所属していたの。
それで漫研に所属していた頃はよく漫画を描いててね、今日みたいな同人イベントに同人誌を出したりしてたの」

「すごいじゃん。俺はそんな茜のことをカッコいいって思うし、尊敬する」

美咲くんは素直にそう心から言ってくれたのかもしれないが、今の私にはあまり嬉しくない言葉だった。

「ありがとう。そう言ってくれて。でも、私はとある人がきっかけで、絵を描くこと自体から遠ざかるようになったの…」

きっと美咲くんはこれ以上の言葉を言わずとも、この先の展開を察したと思う。
そう。私は先輩がきっかけで絵が描けなくなってしまったのだった。

「当時の私は、ただ絵が描けるだけで楽しかったし、幸せだった。
だから、先輩と一緒に絵を描く時間がとても楽しくて。毎日一緒に絵を描いては、お互いの絵を見せ合ってた…」

あの頃の私はネットにも絵を載せたりもしていた。
とにかく絵を描くことが楽しかった。隣に先輩がいたから楽しかったんだと思う。

「最初は楽しければそれでよかったはずなのに、ある日突然、先輩と大きな差をつけられて。
めちゃくちゃ悔しくて。どうして?私には…って思うと苦しかった…」
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